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ダァアン [家族のこと]

 うちに「きつねやまのよめいり」という絵本があります。乳幼児に人気の「こぐまちゃん」シリーズの絵本と同じ作者の方の絵本なのですが、淡いタッチの表紙とタイトルからは予想外のお話です。

 5匹の娘がいる狐の家のお話です。上から順番に娘は提灯を持って、家族と一緒にお嫁入りをしますが、一番上の娘の時はスムーズにお嫁入りできたのが、二番目三番目とお嫁入りしていくにつれて、周囲の山がだんだん高速道路やスキー場やダムなどに開発されてしまい、お嫁入りの道がどんどん遠回りになっていきます。
 で、末娘がお嫁入りする時は提灯を持って両親と三匹で出発したのですが、末娘は人間に撃ち殺されてしまうのです…
 撃ち殺されてしまう直接的な描写は一切ありません。頁の真ん中に「ダァアン」とただひとつ、銃声の音の描写と雪の中に舞う提灯の絵だけ。

 両親も娘に何が起きたのか理解できず、残った提灯のもとにかけよって「一体どこへ行ったの」と困惑し、嫁に行った上の娘達も集まって、消えてしまった末娘の行方をずっと探していく…という、大変に悲しいお話なのです。

 アイにはまだ早いだろうと思ってしまっておいたのですが、今日アイが「これが読みたい」と探して引っ張り出してきてしまいました。私はまだ早いだろうと思ってやめようと思ったのですが、氷介が「とりあえず読ませてみたら」というので読ませてみました。

 「ダアァン」の頁で、アイは何が起きたのかわからないようでした。

 何度も何度もここを読んで、とせがみ、やっぱり何が起きたのかはわからなかったのだと思いますが、それでも末娘にただならぬことが起きたのだろう、そしてそれはとても悲しいことだったのだろうということだけは漠然と感じたんだと思います。
 「ダァアン!」と叫びながら何度もベッドの上に突っ伏して、ウワァアアアン(;д;)と泣き出してしまいました…ああああ悲しかったねそうだよね(゚∀゚;)
 直接的なことは何一つ書いていないだけに、余計に胸につまされるものがあるのだろうな、と…そのあとも、アイはやはりなぜ自分がこんなに悲しいのかが納得できなかったようで、よせばいいのに「読んで」とせがんで悲しい気持ちになっていました;

 ひっそりと見つからない場所に隠しておいたほうがいいのかどうか、迷うところです…;
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